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高齢動物におけるリハビリ

高齢動物におけるリハビリ

動物の高齢化

人と同様に動物達も、歳をとることは避けられないことです。歳を重ねるにつれ、今まで出来ていた事、例えば階段を昇る、立ち上がる、排泄などが簡単にできなくなり、快適に過ごす事が難しくなってきます。そのような身体や行動の変化が高齢動物にとって苦痛となり、落ち着かない、寝ない、突然鳴き出すなどの不安行動を引き起こす場合があります。

高齢動物へのリハビリが大切

多くの高齢動物に、筋力の強化や関節の動きを良くするようなリハビリを継続的に行う事で、運動機能の改善がもたらされ、自信を取り戻してあげる事ができます。更に肥満の改善、寝たきりの予防、日中に体を動かす事は睡眠障害の改善につながります。そして、大好きな飼い主と楽しく過ごす時間が増える事になり、活気が呼び戻されます。

リハビリのポイント

高齢動物のリハビリの目標は、完全な機能回復ではなく、快適な生活を送ることを可能にすることなので、痛みが出たり、嫌になるほどはやりすぎないこと、動物と飼い主の双方が楽しみながら行うことがとても大切なのです。マッサージや屈伸運動など、寝ている状態でもできるものから、バランスボールやバランスボード、障害物を利用したものなどがあります。また、患部を温めてから行うとさらに効果的です。

運動機能障害に病気が関わっていないかを調べる

リハビリを行うにあたって、特に高齢動物の場合は、その運動機能障害に病気が関わっていないかを調べることがとても重要になります。歩行に問題が出てきた犬は、関節炎ではなく骨の腫瘍だったり、寝ていることが多く、疲れやすくなったのは心臓病が原因だったり、不適切な排尿や排便をするようになった犬は、泌尿生殖器に関わる病気だったり、目が見えにくいのではと思った猫が、高血圧から網膜剥離を引き起こしていたり、徘徊する犬が認識不全症ではなく、実は脳腫瘍だったりと、病気の影響を受けていることが多くあります。『高齢だから…』と諦めてしまう前に、適切な診断、治療を行う事で、老化現象として諦めていた事が改善できるかもしれません。

動物との絆をさらに深めるために

愛する動物が、今まで当たり前にできていたことが、できなくなる姿を見る事や、病気の発生はとても悲しく感じるかもしれません。高齢動物に対しては、QOLの向上と維持がとても大切なことです。病気の治療そしてリハビリを通して、動物と飼い主様が再び多くの時間を共有することは、動物との絆をさらに深めることになると思います。