リハビリセンター

手術後のリハビリ

手術後のリハビリ

術後のリハビリテーションの重要性(骨折手術の場合)

骨折の手術は当院においても非常に多く、治癒までの時間は骨折部位や術式、年齢などによって差がありますが、一般的に3ヶ月から6ヶ月程かかります。その間の過ごし方によって、骨折部位 の修復が出来ても、他の関節や筋肉に異常がきたすとうまく歩行出来ないなどの弊害も起こってきます。そうならないように、リハビリテーションは重要です。しかし、適切にリハビリを行えないと、暴れて肢を使いすぎて器具がずれてしまったり、外れたり、癒合不全が起こったり等の可能性もあります。ですのでリハビリを行うに当たってはスタッフの指示に従って頂き、何でもご相談頂く事が重要です。

まず手術直後の管理で一番大切な事は、痛みと患部の腫れを減らすことです。

術後3日間に行うリハビリ

術後3日位は出来れば1日3回、各20分位アイスパックで冷やします。これは人の論文ですが、この冷却を術後に行うだけでやらない場合と比べて治癒が2週間も早くなるそうです。

それと併せて耳の後ろや背骨をマッサージして、リラックスさせながら行います。それにより、リハビリを楽しいものとして捉えさせ、緊張による余計なエネルギーを使わせない事が出来ます。また、本人が嫌がらない程度で、関節可動域が維持出来るように、関節の屈伸を行う事も必要です。

術後4日目からのリハビリ

その後4日目からはゆっくりとした歩行を促すべく、滑らない床をリードを緩く持って歩かせます。この滑らない床というのが重要で、安全を確保するのと併せて、本人の不安を払拭させる為です。1日3分位から始め4日毎に1分ずつ増やしていきます。

ゆっくり歩かせるのが重要でして、早く歩かせるとスキップしたり、患肢をつかないで歩いてしまい全く意味がありません。そして、片足起立という事も行います。支えて片足ずつ各2秒、1回2クールを1日1~2回。2日毎に1クールずつ増やしていきます。またバランスボードなどで負重を変えて、コアの筋肉を鍛えていく事も出来ます。

術後3週間位からのリハビリ

そして術後3週間位からは、よりしっかりとした歩行を目指していく時期となり、1日2回で10分位歩かせるようにします。またケースによりますが、水中トレッドミルなども有効な事もあります。

骨折の治癒には安静が大前提です。しかし、このように出来るリハビリテーションも沢山あります。ただ、ケースによって適応外の場合もあります。

元の生活に戻れるようにサポートします

当院の外科チームは手術で骨折部位を繋ぐ事は出来ますが、修復していくのは、動物自身とそのケアをして頂く飼主の皆様です。その治癒を、安全に効果的に促すべく、また元の生活に戻れますよう私達病院のスタッフが、出来る限りサポートさせて頂きます。